陛下、たとえあなたに「ぼくらの間に愛などない」と宣言されたとしても、事故死する運命を避けることが出来なくても、私はあなたを愛し続けたいのです
「陛下? イタタタタ」

 頭が痛い。何かにぶつけたような痛みだわ。

「フユ。毒キノコ、食べていないよね? 枝に頭をぶつけただろう? それで気を失ったんだ」
「陛下?」

 意識が覚醒した。

 また生き返った。しかも、森の中でコリンに抱きしめられている。

 そうだわ。枝に頭をぶつけて……。茂みのところで毒キノコを見つけて、それを食べたらコリンが現れて……。
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