離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
 多額の手切れ金も用意されたが、真紀は受け取らず姿を消したそうだ。

「社長は自分の前から突如姿を消した真紀さんに捨てられたと思っていました。その後は仕事だけに打ち込み、お母上や周囲に何を言われても何年も結婚しなかった」

 そんな中、雄一郎は母が『いつまでも結婚しないなんて、何のためにあの女をあの子の前から姿を消させたのか分からない』と話しているのを偶然聞く。
 母親を問い詰めると、百田が彼女にしたことが明らかになった。
 雄一郎は真紀が今どうしているのか調べた。もう5年以上たっているが、彼女は幸せに暮らしているのだろうか。
 叶う事なら直接謝りたかった。

 しかし、現実は残酷だった。数か月前に真紀は病で亡くなっていたのだ。そして彼女が5歳になる女の子を産んでいたことも知る。
 きっと自分の子供だと思った。

 すぐに養子先の真紀の親友夫妻の家に出向き、純玲を引き取りたいと申し出た。父親であることを客観的に証明する為、DNA検査もするつもりだった。
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