俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない

その後、呼び止められた看護師さんから少し仕事を頼まれて、それを終えると昼食を取るため職員食堂に向かった。

定食を頼んでから空いている席に腰を下ろすと、背後から女性たちのひそひそ声が聞こえてくる。

「あっ、ほら。あの子じゃない。早瀬先生と結婚した子」
「本当だ。小児科病棟の事務の子って言ってたよね」

私の噂をしているらしい。彼女たちは私に聞こえていないと思っているのかもしれないが、ばっちりと聞こえている。

「早瀬先生と少しも似合ってないよね。ただの事務員だし、見た目も地味だし」
「どうしてあんな子と結婚したんだろう。今年から早瀬先生と同じ病棟勤務になれて嬉しかったのになぁ」

どうやら心臓血管外科病棟の看護師たちのようだ。私が早瀬先生と結婚したことに不満を抱いているような会話内容が聞こえて居心地が悪くなる。

彼女たちは近くに座る私の存在には気付いているが、やはり声までは届いていないと思っているようでさらに言葉を続ける。

「私が早瀬先生と結婚したかったよ~」
「あんた本気で狙ってたもんね。相手にされてなかったけど」
「それなのにどうしてあんな地味な事務員が早瀬先生と結婚できたの⁉」
「だよね。やっぱり早瀬先生のお相手なら、小児科病棟の成田先生じゃないと釣り合わないよね」
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