壊れるほどに愛さないで
「分かった。大学の卒業アルバム、写真サークル集合写真と照らし合わせて、なるべく早く確認して連絡する」

『了解。今夜は、僕は、美織の部屋に泊まるから、明日の朝にでも、君のスマホにデータを送る。以上だ』

言い切るとすぐに、電話は切られた。話中音が、虚しく響く。

「美織……」

(美織の部屋に泊まる、か)

今すぐ美織に会いたい。
顔を見て安心したい。 
側にいたい。

ーーーーでも、俺が、きっかけで美織が、ストーカーされ、今日の様な、危険な目に遭ったのだとしたら、少なくとも今は、俺は、美織の側にいるべきではないだろう。 

(美織の為に俺が、出来ること……)

俺は、さっき電話の途中で電話番号を交換した、橘友也から送られてきた確認のショートメールに返事だけすると、すぐに、大学卒業アルバムと、写真サークルの集合写真を広げて、ある人物に電話をかけた。
< 235 / 301 >

この作品をシェア

pagetop