余命1年の人生
「よし、浴衣コーナー行くか…って隣か」

ショップ袋を片手に浴衣が売ってある店へと足を踏み入れた

「あ、あったよー黒くて花火があしらわれてる浴衣!」

「あ、紫で紫陽花があしらわれてる浴衣もあったよー」

楓が以前言ってた私たちに似合う浴衣が、この店にはあったからそれを即決で買うことにした

「おっ、決まった?」

「うん!」

楓と鮫島くんの手にもショップ袋があった

2人で買った浴衣を着るのが楽しみで、早く夏休みに夏祭りが来ない方と今からワクワクが止まらなかった

「ねぇ、ちょっと別行動して見ない?別行動とかしてみたかったんだよね。女子同士で話し合うこともあるから男子二人は好きなことしておいでよ。時間になったら1階のフードコートで待ち合わせね」

そう言い残して初夏は私の手を取るとすぐ走り出した

初夏って足が早いから追いつくのが精一杯な私
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