余命1年の人生
「わるい、ちょっと琴美のこと頼むわ」

「はい」

蛍さんは頭を冷やしてくると言って病室を出た

俺は眠ったままの琴美の手を握った

柔らかくて肌がすべすべの琴美の手

「あ、れ、お兄さんは?」

俯いてた顔を上げると、初夏ちゃんと楓が居た

「あ、頭冷やしてくるってどこかへ」

俺は涙を拭うと、口を開いた

「どうやってここまで?」

「電車だよ〜、達哉くんの後追いかけたけど、追いつかなかったから電車に乗ってきたんだよ」

「えっ、悪い。気が付かなかった」

「ううん、大丈夫!その代わり琴美の大好きなお菓子、買えたしさ」

初夏ちゃんは手にお見舞いの品と書かれた紙袋を持っていた
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