猫と髭と冬の綿毛と
理性が崩壊した瞬間だった。
唇を奪うように重ねて、そのままベッドに押し倒し
シャツの裾から手を忍ばせ、肌へ指先を這わせる
脳が痺れたような感覚に吐息が震えた
「璃乃……」
僅かな隙間を、柔らかく塞がれ
細い指が髪の間を滑り抜けてく
しがみついた耳元で甘い声が零れた
「優輝……、すき」
こんな時に、それは卑怯だ……
それでも求めて、激しさが増す
艶かしい吐息と、互いの呼ぶ声が、身体中を包み込む
「愛してる……」
その言葉に自分は狂ってしまった。