離婚旅行 〜俺様脳外科医は契約結婚した妻を囲い込みたい〜

 するりと熱い大きな手で頬が撫でられる。
 手の感触の心地よさに目を瞑ると、唇に何かが触れた。

「んっ……」

 うっすら目を開けると、目の前に昴さんの顔。
 昴さんの唇が私の唇に合わさっていた。

(なんで……?)

 固まる私に、彼はもう一度唇を合わせてくる。今度は少し長く。

 その瞬間、口の中にふわっと優しい甘さが広がる。

「甘い……」 
「……え?」

「お願い、もっとしてください……」

 気付いたら、私は自分から昴さんの唇に噛みつくようなキスをしていた。
< 25 / 219 >

この作品をシェア

pagetop