麻衣ロード、そのイカレた軌跡❶/咆哮
その5
麻衣
ハハハッ、そう言われてみれば、なるほどだ
あの時、必死で抵抗して暴れてたし、ましてやあの廃工場はうす暗かった
無意識につかんだガラスの破片で、とにかく”目の前”を切り裂いたのは間違いない
でも、それが誰の”どこ”だったかまでは整理がついてなかった
ガラスの切っ先に達したのは、”相手”の喉元のあたりでないのはなんとなくわかってたけど…
感覚的には胸元、若しくは腹部あたりだと決めつけてた
だけど、実際は”モロ”、下半身だった訳ね
しかも、あの状況ならズボン下げてるのはむしろ自然だし…
いくら弾みだとか成り行きだとか言っても、こりゃ、分が悪すぎだ
猟奇犯だよ、我ながらだけど…
私が傷つけた”相手”は、それ原因で自殺しちゃってるっていうし、すでに…
で、その父親は、全国組織がどうしても傘下に置けなかった”伝説”のカリスマヤクザときてる
相馬豹一という、稀代の狂気と伝説の親分は今、まさに目の前にいる
私の目、じっと見つめながら、私の両足の間、つまり股間に刀ぶっさしてるし
ハハハッ、終わったわ
もう、私…
麻衣
ハハハッ、そう言われてみれば、なるほどだ
あの時、必死で抵抗して暴れてたし、ましてやあの廃工場はうす暗かった
無意識につかんだガラスの破片で、とにかく”目の前”を切り裂いたのは間違いない
でも、それが誰の”どこ”だったかまでは整理がついてなかった
ガラスの切っ先に達したのは、”相手”の喉元のあたりでないのはなんとなくわかってたけど…
感覚的には胸元、若しくは腹部あたりだと決めつけてた
だけど、実際は”モロ”、下半身だった訳ね
しかも、あの状況ならズボン下げてるのはむしろ自然だし…
いくら弾みだとか成り行きだとか言っても、こりゃ、分が悪すぎだ
猟奇犯だよ、我ながらだけど…
私が傷つけた”相手”は、それ原因で自殺しちゃってるっていうし、すでに…
で、その父親は、全国組織がどうしても傘下に置けなかった”伝説”のカリスマヤクザときてる
相馬豹一という、稀代の狂気と伝説の親分は今、まさに目の前にいる
私の目、じっと見つめながら、私の両足の間、つまり股間に刀ぶっさしてるし
ハハハッ、終わったわ
もう、私…