麻衣ロード、そのイカレた軌跡❶/咆哮
その6
麻衣



その2日後…

北田久美の”結論”が出た

「麻衣、私もやるよ。3人と一緒に。でも、正直恐い。本当に大丈夫なの❓警察とか、やくざとか…」

「その答えは馬美が河川公園で言った通りだ。リスクは大きい。大丈夫だとは言えないんだ。その上でだから。…なあ久美、不安ならやめた方がいいよ。無理しないでさ」

「…でも、やりたいんだ、私!麻衣とはいつもそばにいて、いろんなことを…。だから、背伸びしてるのはわかってるけど、高校入ったら自分を変えようと思ってたから。麻衣といきなり友達になれて、私は変われるって気持ちになれたんだ。アンタがその辺の高校生とは違うってのは、こんな私でもピンと感じることができたし。だから、足を引っ張ることもあるかと思うけど…。私、決めたから!」

「わかった、4人でやろうぜ‼夏までにはチーム作って南玉連合に押しかける!」

「うん❣わあ、凄いなあー、南玉連合か…。夢みたいな話だけど、麻衣と一緒ならなんだか実現できそうな気もするよ。私、頑張るよ‼」

「おお、頑張ろうや、みんなで」

よし、これで4人が揃ったぞ!

...


久美は確かに頭は弱いし、何かにつけてトロい

でもさ、人に取り入る能力とかがあるみたいだ

だから、すぐ誰とでも友だちになれちゃうんだろう

それって一種の才能だって‼

何しろ、いきなしあんな二人を選んで私に引き合わせてきたってのは、なかなかいい目効きしてるわ~~

まあ、本人は自覚なしにごく自然な人選だったんだろうが…(苦笑)

久美のそういう面、今後も何かと活かしていけそうだな

当面、私のそばに連れて行動を共にすればいずれ化けるかもだ


...


さあ…、こうとなったら、さっそく資金調達作戦に取りかかるぞ!

久美が不安がるように、えらく危険を伴う”バイト”だから、そう長くはできない

最早に最低限の目標金額を集めて、さっさと撤収だ

”その次”も考えはできてるし、とにかく大事なのはスピードだって!


...


おそらく…、今の南玉連合が”赤い狂犬”合田荒子体制になるのはもう秒読み段階だろう

ここで一気に加速するイケイケ路線に乗っかってやる‼

今、この都県境界隈では弱小チームが乱立して、みんなここらでしょぼんと走ってるだけだ

そんなんじゃ何の意味がない

この都県境は猛る女の地なんだ!

そこに怪物・紅丸有紀先輩が赤塗りの種を撒いてくれた

なら、どんとでっかい実を咲かせなきゃね

夏が終わる頃にはね、はは…





< 8 / 53 >

この作品をシェア

pagetop