恋人たちの疵夏ーキヅナツー
雨やどり/その5
アキラ


彼女を送ってきたら、あらら

ケイコちゃん一人暮らししてんのかぁ

うーん、高校生がアパート借りて

決して家賃安くなさそうだけど

ひょっとしていいとこの令嬢とか?

それとも…、いや、変な憶測はやめとこう

でも、いろいろ驚かされるなあ

それと、さっきまでのノリと微妙に違うような

気のせいかな、やっぱり

...


次の約束は彼女からだった

あさって、夕方の5時に迎えに来てと

一緒に行って欲しいとこあるって

どことは言わなかった

珍しく事務的な話し方が気になった

今までのちょっといたずらっぽいところがない

そんな感じがしたのだ

とりあえずは今度会ってからだ

オレはアパートの前で彼女とバイバイした

...


彼女は階段を上がっていった

部屋は2階の角部屋らしい

ドアを手にしながら再度ふり返ってくれた

にっこり笑って手を振ってる

「今日はサンキュー。楽しかったよ。おやすみー」

結構でかい声で再びお別れのことば

また元気をもらった

さあ、あしたから残務整理に入らなきゃ

事実上、マッドハウスのオレは今日で終わる




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