献身遊戯~エリートな彼とTLちっくな恋人ごっこ~

「好きって言われると、我慢できない」






シャワーヘッドから滴る雫が音を立てた。

足先が冷たくなり再び座り込むと、スカートに隠れた膝を呆然と見つめる。

清澄くんはかっこよくて、優しくて、女性の扱いに慣れている。
引く手あまたで、女の子が苦手だなんて謙遜でしかなかったのだろう。
少し考えればわかるものだったのに、私は馬鹿だ。

勝手に期待して、盛り上がって、そして騙されたような気分になっている。
清澄くんは恋人のように触れ合おうと言っただけで、恋人になろうなんてひと言も言っていない。
私が勝手に、勘違いしただけなのだ。

「今から会社の人が来るんだ。頼むから帰ってくれ」

「近くでふたりで遊んだから、久しぶりに清澄の家に泊まろうと思って。会社の人も一緒でいいよ。ちゃんと接待してあげる」

「清ちゃんの会社の人ならサービスするよぉ」

接待……サービス……。
聞こえてくるワードがアダルティでドキリとする。
会社の人も交えてなんて、私には考えられない交友関係だ。

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