切っても切れない関係
すると、また樹の手が伸びてきて
眉間を指でツンツンとされ


「また、ここに皺寄ってる。
跡になっちゃぞ。
あっ、また人参残してる。
ほら、世話が焼ける」


しょうがない奴だな
と微笑みながら


その指で私のお皿から人参を摘まむと
ヒョイっと口の中に放り込み


空になった自分のお皿を持って立ち上がり
キッチンのシンクの中にそれを置くと
リビングのソファにドカッと横になり
TVを付けた。


苦手な甘い人参が無くなったおかげで
一足遅れて私も食事が終わり


2人分の食器を洗って乾燥機にかけ
樹の長い足を無理やり折りたたむと
身体をねじ込み
体育座りのような体制で
ソファに沈んでTVに目を向ける。


まぁ、いつも通りの日常
ギブアンドテイク。
空気みたいに気の置けない関係…


その後、2人でお笑いのDVDを観ながら
ゲラゲラ笑ってたらママ達が帰ってきた。
その足で私も相馬家を後にした。


こんなにイイ男いませんよ!
世の中の女子達よ。

何も言わずとも嫌いなモノを
サラッと自然に食べてくれるんだよ?

ファンクラブまで出来るくらいの
イケメンですよ。

無愛想の半分は優しさでできてます。

まぁ、ちょっと
世話焼きすぎる面もあるけど。

こんないい奴
絶対に幸せにならないといけない。


私は心に硬く誓った。
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