砂漠の国の素直なお姫様は隣国の王子に愛される!
「サラ」

「はい?」

「この結婚は政略結婚みたいなもので、リスト国とケルト国の関係を強固にするためのものだから仕事とかは気にしなくていい」

「僕と無理矢理仲良くする必要もない」

「サラはこの国でのびのびと暮らせばいいよ」

なにか一線を引かれた気がした。

こういう時、「分かりました」と頷くのが正しいんだろう。

でも・・・

「お断りします」

「この国に嫁いできた以上、ケルト国のために出来ることを私だってしたいです」

「貴方とだって仮面夫婦になりたくないです」

アルフリード様は始め何も言わなかったが、暫くして口元が優しく笑った。





「サラは素敵な人だね」





素直に褒められて顔が赤くなるのを感じた。

私が俯くと、アルフリード様が悪戯をする子供のように笑う。





「仮面夫婦が嫌ってことは、僕と仲良くしたいってこと?」





いや、いざ言葉にすると恥ずかしいな!




「えっと・・・」




私が言い淀んでいるとアルフリード様が更に一歩近づく。





「僕とイチャイチャしたいの?サラ」





あまりの甘い言葉に私は数秒固まった。




「いや、えっと、スローペースでお願いします・・」




いや、意気地無しだな、私!



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