❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
こちらにも考えがある」

健斗はその場を後にした。

拓真が出かけている間、かすみと留守番してくれたのはツトムだった。

かすみは一通の手紙をツトムに託した。

「ツトムくん、この手紙を私が亡くなったら、拓真さんに渡してくれる?」

ツトムはかすみの言葉に息を呑んだ。

「かすみさん、何を言ってるんですか」

「人間、いつどうなるかわからないでしょ」

「それはそうですけど……」

ツトムはかすみの病気を聞いている。

だからかすみの言葉は冗談で流せなかったのである。

「ね、お願い、私がこの世から消えたら、拓真さんも消えちゃう気がするの、
それは絶対に阻止しないといけないことだから」

ツトムはあり得ることに息を呑んだ。

かすみさんがこの世から消えたら、組長は生きていない。

「この手紙は組長が生きていくためのお守りになるんですね」

「そう、この手紙を読めば、必ず、生きていかないとって思ってくれるはずだから、
ツトムくん、責任重大よ」

「はい」

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