❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
ぐったりして、私は全身の力が抜けた。

健斗さんにギュッと抱きしめられて、眠りに落ちた。

ふっと目を覚ました私は、あたりが明るくなっていることに気づいた。

サイドテーブルにおいてある時計に目をやると、長い針は十二を指し、

短い針は七を指していた。

「えっ、七時」

私は慌てて、ベッドから起き上がった。

落ち着け、落ち着け私。

まず、服をきて、バックを持ち、ドアに向かって走り出した。

その私の腕を掴んだのは健斗さんだった。

私はあっという間にベッドに逆戻りしてしまった。

「ユリエ、そんなに慌ててどうした」

「私、会社に行かないと」

「えっ、会社?」

「そうじゃなくて、うちに帰らないと」

「誰かいるのか」

「いえ、あのう……」

ユリエは狼狽えていた。

「私、帰ります、後で店に来てくださいね」

ユリエは俺の手を振り切って部屋を出て行った。

窓から外を覗くと、ユリエはタクシーでその場を後にした。

どう言うことだ。

< 14 / 176 >

この作品をシェア

pagetop