❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
その頃、剣城は真山梨花にキャバ嬢ユリエについて報告していた。

「ユリエは体調不良で店を休んでいます、健斗さんも店にはいっていないようです」

「そうなの、まさかプライベートで会ってるなんてことはないわよね」

「ないと思います」

剣城はお嬢に嘘をついた。

昼間OL花園かすみとして、夜はキャバ嬢ユリエとして、毎日毎晩一緒だなんて言えなかった。

「ないと断言しないのね」

剣城はなにも答えられなかった。

そこで、剣城はとっておきの情報をお嬢に伝えた。

「ユリエは子宮癌を患っています、三年前に子宮全摘出の手術を受けています、
子供を生めない女とは結婚出来ません」

「健斗はそのこと知ってるの」
「知らないと思います」

「そお」

お嬢は口角を上げてニヤッと笑った。

血も涙もない、自分以外の人の不幸は蜜の味と感じる女だ。

嫌な予感は的中した。

そして剣城はお嬢にユリエの病気のことを伝えたことを後悔することになる。




かすみは体調が戻らず、癌の再発を恐れていた。

< 54 / 176 >

この作品をシェア

pagetop