❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
「かすみ、今回卵巣に腫瘍が見つかったそうだ、良性かもしれないが、卵巣を摘出しておいた方がいいと先生は言っていた、手術受けるだろ」

「卵巣摘出?癌が再発したんですか」

「用心に越したことはない」

「私、子宮がなくて、その上卵巣まで取ったら、もう女じゃありません」
「そんなことはない、命の方が大切だろ?」

「拓真さんは男だからそんなこと言えるんです、今でも私は女として半人前なのに、
これ以上私から女の部分を取り除いて、拓真さんは私を女としてみられますか、
もしかして私は死んじゃうんですか、だから……」

かすみは泣きじゃくっていた。
俺は軽率だったのかもしれない。

拓真はかすみと早く結婚したかった。

剣城がかすみを狙っている。

しかも、かすみにとって人生の蝋燭は消えかかっているとしたら、

一分一秒が惜しい。

拓真は事を急ぎすぎた。

かすみの気持ちを置き去りにして、拓真自身ばかり先に進んでしまった。

なんて愚かな、なんて自分勝手なんだと悔いた。

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