❤️俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛
一人にしてって言っちゃって、怒ってるんでしょうか」

「若頭は今、組長襲名に向けて、お忙しくて、自分が代わりに伺いました」

「そうですか」

「かすみさんのご機嫌はなおっていますとお伝えしておきます」

「はい、お願いします」

大館は病室を後にした。

拓真は集中治療室で生死を彷徨っているなど、言えないと判断した。

ある日、かすみの病室をある男性が見舞いにやってきた。

本郷誠司だ。

「かすみ、大丈夫か」

「本郷くん、どうしたの?」

「春日部コーポレーションへお前を訪ねたら、長期休暇を取ってるって聞いて、
社長に会いたいと申し出たら、怪我で入院してるって」

「えっ、社長が入院しているの?」

「知らなかったのか」

かすみは手が小刻みに震えた。

「本郷くん、あのう、春日部コーポレーションって新堂組の表の顔って知ってた?」

「いや、知らない、そうか、だからか」

「どうしたの」

かすみは本郷の様子に理解出来ずにいた。

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