【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。


「まだわからないけどね。あ、あと今年も志貴のことよろしくね」

私が準備をしている間に新那が志貴を買い物に連れ出してくれる。

これもお決まりのパターンだ。

ちなみに、志貴にはその場で欲しいものを聞いてプレゼントする。それが新那流。

「任せて」

「じゃあ、時間が決まったら連絡するね」

「うん」

「ああ」


この時の私たちは7月10日に起こる抗争のことをまだ知らなかった。

その日、全てが明らかになり、私と怜央の関係が変わってしまうことも──。




< 198 / 260 >

この作品をシェア

pagetop