硝子の枕⑥/生死を超えたイカレ愛の巣💖【エロティックブラックの読切り第6話です♪】

その1

硝子の枕⑥/生死を超えたイカレ愛の巣💖【エロティックブラックの読切り第6話
その1




首都圏某所…。
知る人ぞ知るアンダーステータス五つ星な💛ホ…、リッチネル❣
ここの最上階1019号室は、ある年の差カップルがお得意様だった。
で…!男性は40近いヤクザの幹部、女性は17歳の元女子高生…。
二人は文字通り生死を超えた愛を、この部屋で育んできたのだが…❣
この夜はイカレた二人が愛し合った”最後”のベッドインとなる…。


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その夜は台風並みの突風を伴う大雨だった。
外から吹き付ける風と雨は、大きな3っつの窓に向かって、まるで特攻隊のように”自爆”を繰りてる。

命知らずな…、そんな情緒を醸す、自らをたたきつける捨て身の一途なるその絵柄…。
コレを、年の差22歳の異色カップルは、ベッドの中から射るように見つめていた。

たった今、激しく互いの裸体…、そして裸のココロをぶつけあい、いつものように劇激の愛を交わし合った二人…。
この二人は、リッチネルの最上階、1019号室をこよなく愛していた。


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”愛しの撲殺人”…。
今、激しく抱き合った倉橋優輔を本気で愛するようになったのはいつからだっただろう…。

これは今まで麻衣が何度も自分に問いかけてきたことだ。
で…、この男とは去年初めて会ってしばらくした時点で、大好きになっていた。
これが偽らざる、17歳の”元”女子高校生たるイカレ少女の胸の内ではあったのだが…。

昭和45年の大阪万博開催中、抗争相手から集団リンチを受けた時に負った首のやけど痕!

彼の”そこ”惹かれたのは、厳密には大好きになった後になる。
無論、あの疵で一層、彼を思う気持ちが燃え上がったのは事実である。

”ずっと大好きだったこの撲殺人…。でも、今のような気持ちで愛するようになったのは、この夏が終わったあたりになるのかな…”

麻衣にとって、これが自問自答のいつもの答えであった。
しかし…、”あの時から”は、必ずしも同じではなかった。


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”あの時”とは…、未成年のワタシと婚約する決意を聞いた時…。
このワタシを監視する相和会からの指令を放棄し、長年自分が属していた組から命を狙われるって立場を、彼が受け入れことを告げられた時などが大体だった。
だけど…、ここ最近になって”あの時から”の定義付けが変わった。

麻衣はこの撲殺人の愛し方を変容させていたのだ。
それはいわば、一種の”進化”と言えたのかもしれない。

さっきまで、二人のとって愛のボックスとも言えるリッチネル最上階1019号室ベッドの中で、荒々しく自分の体抱いていた彼に感じていた愛情は、いつ死に別れても悲しくない…、と!
それほどまでに結びついた相手として、彼を愛していたのである。

この麻衣にとって二周り近く年の離れた”彼”は、今や死生観を共有する盟友と言っても過言ではなかった。

一方、二人は全国組織に取り込まれない、異端の極道集団、相和会のフレームに身を置くカップルである。
その二側面が交差した時、この男女はもはや戦友と違わなかった!


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