「Of My Disteny」ーゴールドー
「瑠衣ちゃんごめんね…」

わかりやすくしょぼんとしながら机に向かう、学校に居残って洸の1つの机で向き合いながら。

なんで向き合いながらかと言えば…

「あ、瑠衣ちゃんこれって何?」

教えやすいから、わからない洸のために。

「えっとそれは…」

なんで洸のミスを私がそれ以上にカバーしなきゃいけないの?って思わなくはないけど、だってペアだし連帯責任だし、それが普通だから。

「ありがとう!ごめんね、考え事してて…授業あんまり聞いてなかった」

いつもはかけてないメガネをキリッとさせて勉強モード気取ってる。

それがちょっとカッコいいなんて思ったりして…、絶対言わないけど。

「いいよ、それよりわかった?」

「うん、ここはイケる!」

「じゃあ次はここね、ここはここよく読んで」

「わーぉ、なるほど!」

「いちいちリアクション大きいな」

ただ課題やってるだけなのに、身振り手振りケラケラと満面の笑みで…
正直何がそんなに楽しいのかはよくわかんないんだけど。

それを見てるのは楽しかったりするんだ。

「見て見て瑠衣ちゃん!この問題の答え、61だって!ルイじゃん!」

「えー、こじつけじゃない?」

「運命だよどちらかと言えば!」

「それはないよ」

だって見飽きないんだもん。

「あ、洸!それはこっちの公式だよ」

「お?マジだ、ありがとう!」

にひっと笑って、私と視線を合わせる。

一切照れることなくまっすぐ見るから、私の方が先に逸らしちゃって。

「瑠衣ちゃんやさしー!」

いつも何も言えなくなっちゃうの。

「…別に、だって評価下がったら困るし」

ほら可愛くない。

もっと気の利いたこと言えないのかな私。

「それはそうだよね」

さらに前のめりになった洸が真剣な眼差しで頷いたかと思えば、さっきまでのテンションとは裏腹急に黙りこくって机に向かい出した。

え、何それ?なんで急にやる気出したの?

あんなにキャッキャ言ってたのに、そのまま一言も話さないで課題は終わった。
< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop