復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~

ウオーレンは死んだのか?

 「グウウウッ」

 突然、ウオーレンがわたしの隣でうめき声とともに葡萄ジュースのグラスを石の床に落とした。

「ウオーレン様?」

 ギョッとして横を向くと、彼は両手で喉をかきむしり始めた。

「グウウウッ」

 彼は、また世にも怖ろし気なうめき声を発した。と認識する間もなく、彼は長椅子から転げ落ちるようにして石の床の上に倒れた。

「ウオーレン様っ」

 真剣に慌てた。

 反射的に立ち上がってしまった。それから、彼に近寄りその脇で両膝を折った。

 そして、彼の体を揺さぶろうとした。
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