復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~

くすぐりまくり

「宰相閣下、ずいぶんと疑り深いのですね」

 ちょっとムッときた。

「それはそうだろう? これまで、どれだけ失敗したかわかるか? それこそ、史上最強の暗殺者だという連中に金貨数百枚を渡したこともある。まぁ、もっとも失敗すれば取り返すがな。それなのに、こんなにあっさり死んだとは。しかも、ドジっ()侍女にやられたのだぞ。にわかには信じられぬわけがない」

 ちょっと待って。

 まず、「史上最強の暗殺者だという連中」ですって?

 史上最強が巷に溢れ返っているわけ?

 その時点でおかしいでしょう。

 それに「失敗すれば取り返す」って、せこすぎるわ。

 それから「ドジっ()侍女」ですって?

 きっといい意味で言ってくれているんでしょうけれど、もっといい表現はなかったのかしらね。
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