復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~

じつは演技だったの

 宰相に呼び出されたあの日、本営から戻ってきたウオーレンにすべて告白した。

 包み隠さずすべてを告げたのである。

 訂正。すべてではない。宰相とわたしとのやり取りについてのほとんどを告げた。

 つまりわたし自身のこと、具体的にはわたしがウオーレンを殺そうとしていること以外を告げた。

 宰相からの依頼をわたしが受けたことについて、ウオーレンがどう思ったのかはわからない。銀仮面の下の表情がわからないから。

 だけど、ブロンドの瞳や口元を見るかぎりでは、動揺しすぎたり驚きすぎてたりということはなかったと推測している。

 日常茶飯的に命を狙われているだけのことはあるわ。さすがよね。

 慣れすぎていて、感情が麻痺しているのかもしれない。

 彼は、わたしの告白をきいた後にウイリアムとトリスタンにもその旨を告げた。

 彼らもたいして驚きはしなかった。
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