復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~

大嘘つきとニャンコ

「閣下、どれも丈が合いませんね」
「ああ。彼女は黒髪に黒い瞳だし、顔じたいが平べったい。派手な物より、地味なデザインで暗い色合いの方がまだマシかもしれないな」
「そうですね。では、そういうものを選んでみましょう」

 服屋より食堂のオーナーの方がしっくりくる太っちょの店主とウオーレンは、あれやこれやと服やスカートやズボンを持って来て試着を迫ってくる。

 わたしとしては、着る物は前身頃と後ろ見頃があって左右の袖がくっついていればいい。ああ、それと出来れば生地は耐久性にすぐれているものがいいわね。スカートやズボンも同様だわ。

 したがって、色やデザインはどうでもいい。

 つまり、いかに機能的で物持ちがするかを重視している。

 数えきれないほどの数を試着した。結局、ウオーレンはそのほとんどを購入してくれた。

 ほとんどすべてがお直しが必要らしい。ということで、後日取りにくるということになった。
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