復讐相手の将軍閣下が望むので、専属の侍女としてお仕えすることになりました~溺愛されても餌付けされても、すべてを奪ったあなたを許すつもりはありませんのであしからず~
 いまさら否定したところで、そんな人たちが間違いや誤解だったと脳内を上書きしてくれるとは思えない。

 なにより、彼が大恥をかく。

 街の人たちが、彼に対して一目置いていて親し気だったことを思い出した。

 そういえば、さっきウイリアムが彼のことを「救国の英雄」と言ったっけ。

 ということは、街の人たちの彼への態度から、彼がなんらかの脅威から街を救ったことが容易に想像出来る。

 どういうことなの? 破壊神みたいなウオーレンが、多くの人を救った?

 でもまぁ、彼は軍人。敵国は滅ぼしたり殺戮したりはするけれど、自国民は反乱ではないかぎり殺害したりするわけはないわよね。

 いずれにせよ、彼はわたし専属のご主人様。ではないわね。わたしは、彼の専属の侍女。

 ご主人様に恥をかかせるのはどうかしら。
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