微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア
入ってきたのは、水のフェアリー。
腰までの長い髪は、銀色がかっているが、
光の加減では、薄い緑と青が入り交じる。

雲母の破片のように、
陽の光にきらめいていた。
顔は透き通るような白さだが、
うりざね顔で美しい。

瞳は、きらめく宝石のブルー。
華奢で、はかなげで、
着ている衣服も、青と緑が、
透き通るように重ねられたシフォン素材だ。
歩くと、川の水藻のようにゆらゆらとなびく。

全体に透明感があって、
風がゆらぐように、存在感がないように見えた。

「初めまして、フェアリー領から参りました、アクアと申します」
声も、か細く、揺らぐように聞こえる。

アラゴンはイラつくように、
にらみつけた。
「声がちいせぇ、そんなんじゃ、ダメだ!!
やりなおし!!」

アクアは、こぶしを握り締めて、
大きく息を吸った。

「初めまして!!」
はぁと、息継ぎをする。

「アクアと言います!!」

「よろしくお願いしますだろうが・・・」
アラゴンは偉そうに、ふんぞり返って言った。
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