朝なけに
ごめん
土曜日の今日は大学も行く事もなく、昼まで寝て、掃除や溜まっている録画を消費した。
地元ではやっていない番組が多くて、テレビが最近面白い。
オススメの番組は、Blu-rayに落として文人に送る約束をしている。


夕方になり、千里さんのお店へ出勤する。


ほんの数人だが私指名のお客さんが居て同伴出勤を誘われるけど、千里さんにお店以外でお客さんと会うなって言われているのでそれは断っている。
今日もそう。
そして、毎夜早上がりの私には、アフターの誘いはない。


今夜、お店に出るとすぐに、私に指名が入った。


私を指名したのは…。


「葵衣ちゃん久しぶり!
あ、ここではアカネちゃんだったね」


私を満開の笑顔で迎えてくれるのは、照さん。
相変わらず華やかで、スマート。


「あの夜以来ですね?」


中さんや千里さんには、あれ以来毎日のように会っているけど、照さんはあのバーで騙されそうになって以来。
LINEも、一度誘われたくらいでそれっきりだったし。


「うん。アカネちゃんに会いたくてたまらなくて、今夜来ちゃった」


照さんは、とてもイケメンで。
きっと、こんな綺麗な顔の男性にそう言われたら殆どの女の子はドキドキするんだろうな。
そう思うけど、中さんに夢中の私の心臓は穏やかに脈を打っている。



「ありがとうございます。
照さん、何飲まれます?」


そう言った私に、目を細めフッと笑われて。
その感じが、なんとなく私の気持ちを見透かして笑っているような…。
私が照さんに興味がない事を、楽しんでいる?!



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