期限付きの政略結婚 〜過保護な副社長とかりそめ妻のすれ違い恋愛事情〜
亜矢と同じ時間にシフトを終え、駅ビルに用事があるという彼女と一緒に駅までの帰り道を一緒に歩いた。

「最近坂本さん来なくなったね。よかったね」

「ごめんね、心配かけて」

「そんなことないよ。もっとガンつけとけばよかった。ごめん」

亜矢は申し訳なさそうに頭を下げる。

ガンつける?それは解決策として有効だったんだろうか。

亜矢はいたって真面目な顔をしているから、突っ込みを入れるのはやめておくことにした。

「でも、実はちょっと前に一回見かけたの。お店のそばで」

「えっ」

亜矢が躊躇い気味に口にして、私はギクリと肩を揺らす。

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