心に♪留まる
14頁 あなたさえ

【選択肢···恨む?恨まない?】


流は、小豆と涼子と一颯に
会いたくなり
工藤の家に向かった。

まだ、二人とも仕事中だ。

小豆と庭の草を取りながら
遊んでいると
後に影ができた

一颯かな?と
振り返ると
ショートカットの女性が

「あなた誰?!
   一颯さんの何?」
と、言われて
「糸風と言います。
  一颯さん?とは、友達?」
友達なんて勝手に言って良いのかと
思っていると
「ともだちっ?ふざけないでよ!!」
と、取り乱す彩佳

「あなたっ、あなたさえっ

       いなかったら·······

そういう
彩佳に向かって小豆が吠える

「ウー、ヴー、ワンワン!!
  ワンワンワンワン」

吠える小豆に


「あっちに、行きなさい。うるさい!!」
と、叫ぶ彩佳

小豆は、彩佳から
流を守ろと吠え続けながら
彩佳に飛びかかる。

たまたま、彩佳が自分の荷物と
バックを振り回していた為
小豆に当たり
小豆は、そのまま下に落ちた。

「キャン。キャン。」
「小豆!!」
落ちた小豆に駆け寄る流

恐怖でバックや荷物を振り回している
彩佳のバッグが飛んできて
こんどは、流の頭に当たり
流は倒れた。

「誰だ?! 何をやってる!!」
と、やってきたのは一颯。

一颯は、流が倒れているのを見て
「流?流?母さん!!母さん!!」
一颯の声を聞き駆けつけた涼子は、
その場を見て
すぐに救急車を呼んだ。

そばで呆然と立ち尽くす彩佳に
「どうして?彩佳が?」
と、言う一颯に涼子は、
「一颯、先に小豆を」
小豆は、流の血をなめながら
ジッとしている。

一颯は、小豆の獣医に連絡して
連れて行く

その間に救急車が到着して
涼子は、
「あなた、保育園の方にいなさい。」
と、彩佳に伝えて流と一緒に
救急車に乗り込んだ。

一颯は、小豆を抱き上げて
車に向かい獣医の元へ

彩佳は、ボー然と
立ち尽くしていた。
「あなた、大丈夫?」
と、声をかけてきたのは、
ひまわり保育園に
長く勤めてくれている川口先生。

涼子から連絡が行き
駆けつけた。

彩佳は、ボロボロと泣き
川口は、彼女のバック等を拾い
彩佳の背中に優しく手を添えて
保育園に誘導して
保育園の職員室へと入り座らせた。

保育園の中は、
勤務の終わった先生や
帰る園児達で賑やかだ。

川口は、彩佳にティッシュの箱を
渡してコーヒーを入れた。
「熱いから」
と、出されたコーヒーを見て
「····わたしっ···わたっ···あんな····
「大丈夫。きっと大丈夫。
 少し飲んで、落ち着くから。」
と、言われて
両手でカップをつかみ
ひと口飲む······あったかい······
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