モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
ユリアンも人から聞いた話だが、約三十年前、現クロイツァー公爵の姉が神殿に行きそのまま行方不明になるという事件が起きた。
公爵家は必死に捜索し神殿にも捜索の協力を願い出たが、その希望は叶えられなかった。
結局公爵の姉は、神殿に向かう道中で亡くなっているのが発見されたが、人命がかかっているのにまるで協力しようとしなかった教団の態度にクロイツァー公爵家は不信感を持つことになり、以降あまりよくない関係が続いている。
「伯母は神官に扮した盗賊に襲われたと判明しました。それ以降神殿との道中には当家の騎士が巡回していますし、神殿からのやって来た者だからと油断せずに神官でも商人でも身元を確かめています」
「そうか……」
「教団直轄領からクロイツァー公爵領の間にある町と村に部下を派遣し、聖女と同年代の女性を確認しましたが、見つかっていません」
国王の近くに控える宰相が補足した。
では聖女はどこにいるのか。神殿を抜け出して間もなく不幸な事故に巻き込まれて亡くなった可能性は、つい最近まで神木が無事だったことからない。
聖女の身になにかがあったのだとしたら、神木が枯れ始めたここ数か月の間の出来事だ。
ゆっくり枯れていく様子から、聖女の力が少しずつ消えていると考えられる。
ここにいる誰もがその事実に気づいているから、焦りながらも聖女の無事を信じて捜索を続けているのだ。
公爵家は必死に捜索し神殿にも捜索の協力を願い出たが、その希望は叶えられなかった。
結局公爵の姉は、神殿に向かう道中で亡くなっているのが発見されたが、人命がかかっているのにまるで協力しようとしなかった教団の態度にクロイツァー公爵家は不信感を持つことになり、以降あまりよくない関係が続いている。
「伯母は神官に扮した盗賊に襲われたと判明しました。それ以降神殿との道中には当家の騎士が巡回していますし、神殿からのやって来た者だからと油断せずに神官でも商人でも身元を確かめています」
「そうか……」
「教団直轄領からクロイツァー公爵領の間にある町と村に部下を派遣し、聖女と同年代の女性を確認しましたが、見つかっていません」
国王の近くに控える宰相が補足した。
では聖女はどこにいるのか。神殿を抜け出して間もなく不幸な事故に巻き込まれて亡くなった可能性は、つい最近まで神木が無事だったことからない。
聖女の身になにかがあったのだとしたら、神木が枯れ始めたここ数か月の間の出来事だ。
ゆっくり枯れていく様子から、聖女の力が少しずつ消えていると考えられる。
ここにいる誰もがその事実に気づいているから、焦りながらも聖女の無事を信じて捜索を続けているのだ。