逃すもんか
それから毎日おばさんたちから、漬け物や果物、今晩食べなさいっと豚の角煮をもらったりした。

マジでありがたかった。

休憩室で食べるようになったら、平岡さんも本社の日は買った弁当を持って休憩室で田村さんとオレと3人で食べるようになった。

平岡さんは本当に人懐っこいので、昼メシを食べながらあのマイカタログを開いて、田村先輩やベテラン職人の先輩達にいろいろと質問する。

特に、直営店の販売員から修理費用の質問が多いと話していた。

「いや〜勉強になります。ありがとうございます。」とニコニコお礼する。

そして、時々工房のみなさんにおやつを差し入れした。

だから、工房の職人たちも仕事熱心な平岡さんの事を、悪く言う人はいなかった。
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