逃すもんか

「レストランで素敵な食事をしたから、史弥さんともう少し余韻に浸ってたいの」

「そうなの? じゃあ手を繋いで駅まで行こうか」

「うん!」

駅へ向かう途中にお花屋さんがあり、
史弥はアレンジされた可愛らしい花を買い、ゆかりへプレゼントした。

「可愛い…ネックレスもプレゼントされたのにお花まで…本当にありがとう史弥さん」

「うん、オレの大切な彼女の誕生日だからさ」とゆかりに笑顔をむけた。

「うん。こんなに嬉しい誕生日は初めてだよ。
ありがとう。」とゆかりも笑顔で史弥を見上げる。

「本当はさ〜。ホテルに泊まりたかったけど明日も仕事だからさ…」

「うん。じゃあ明日の金曜日から史弥さんのアパートに泊まってもいい?」

「うん。そうして欲しい。
あとさ〜オレのアパートにゆかりの服も置いておけよ」

「うん。そうだねぇ」
と言ったゆかりだが…
史弥がフランスで採用が決まれば別れなければいけないので、
どっぷり彼との恋愛に溺れるわけにはいかない。
史弥のアパートに自分の物を増やしたくないと思っているゆかりだった。
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