逃すもんか

長所・短所

バーベキューコーナーで受付し、串に刺さった4人分の材料と炭や薪を抱えて、係り員と一緒にオレたちの場所へ移動。

係り員が炭を使って火をおこしてくれる。
慣れた手つきで薪を入れあみ焼きの網をセットし、バーベキューの焼き方の説明をして戻って行った。

早速、材料を焼いてくれる北野さんと中島さん。
オレと平岡さんはさっきの受付で売っていたおにぎりとペットボトルのお茶を買い戻る。

軍手を嵌め、トングで材料をひっくり返している2人。

熱そうなので、オレらと交代した。

「史弥はバーベキューいつぶり？」

「高校の宿泊学習ぶり？かな。みんなは？」

「私は専門学校の時にしたかなぁ」と中島さん

「私は、前の会社でリクリエーションの時だから…2年前かな… 平岡さんは？」

「俺は、我が家のイベントは庭でバーベキューって決まってて…先月もやったよ」

「そんなに広いお庭なんですか？」

「普通の庭だよ〜
でもウチでバーベキューする日は両隣り家族も合同だから結構な人数になるし、
幼馴染たちはみんな男だから俺らが中学や高校生の頃なんか、焼ける前から食ってる感じで争奪戦だったんだわ」

「クスクス。面白いイベントになるんですね。」と北野さん。

「今はさすがにみんな社会人だし、転勤でいなかったり大学が地方だったりだから、隣りのおじさんとおばさんたちでのんびりやる感じかな」

「東京はご近所付き合いなんかないって聞いてたけど、平岡さんのお宅は違うんですね〜」と中島さん。

「うん。実はさ〜親父達３人は大学の時にラグビー部だった同級生でさ〜
会社は別なのにたまたま建売をウチが買うと決めた時、友達も隣りの建売を購入したらしくてさ〜
子育て終わっておいぼれになったら、お互いの面倒をみようとか何とか言ってるよ〜」

「へぇ、親戚や子供家族に頼らず友達同士で助け合うなんて、すごい絆が深いんですね」

「まぁ、そうかなぁ〜子供のころから父親も母親も３人いる感じだったからなぁ」