逃すもんか


「………」柊一はさっき史弥からのアドバイスを思い出しながら考えていた。

ラジオから流れる音楽を聴きながら北野さんちを目指して車を走らせている。
しばらくしてコーヒーショップがあったので寄ることにした。

「北野さん、コーヒー飲んでいこうよ。
俺さ、トイレにも行きたいから」

「はい。そうしましょう」
駐車場に車を止めて、お店の中へ。

コーヒーを注文してから柊一はトイレへ。

美桜は、席に座り窓の外を眺めていた。

柊一がトイレから戻り、コーヒーを飲む。

「私もトイレ行ってきます。」

「うん。」柊一は心臓がドキドキしていた。

どうしよう〜やっぱり2人っきりの時に話すのがいいよなあ〜

素直に気持ちを伝えよう……
うん。そうだよなカッコつけずに素直に……
史弥が言ったように結婚前提がいいよな…

ブツブツ言いながらまたコーヒーを飲む。
「アチっ」といって口を押さえていた。

そんな様子をトイレから戻って席へ向かって歩いている美桜に見られていた。

平岡さんって、本当に飾らない人だから安心するなと思っていた。
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