愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

広いパウダールームでお互いの服を脱がせ合い、素肌を晒していく。そうしている間にもキスを交わし、湿り気を帯びたリップ音がふたりを煽るように響く。


「南の肌、もう桜色に染まってる」
「だって碧唯くんが……」
「俺がなに?」
「いやらしい手つきで触れるから」


服を脱がせるのとは関係なく、素肌を這う指先がエロティシズムを感じさせるのがいけない。

その眼差しも同じく。
今にもはらりはらりと零れ落ちるのではないかと心配になるくらい、男の色香に満ちた目で見つめられれば、肌が朱色に染まってもなんらおかしくない。


「何度も言わせるな。いやらしい行為をしようとしてるんだから。それに南が淫らな体をしてるのが悪い」
「淫らって」
「これでも違う?」
「やっ……!」


隠すものがなにひとつなくなった体の中心部を、碧唯の長い指先が伝う。
どんな状況になっているのかは南自身が一番よくわかっていた。
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