なぜか推しが追ってくる。



──数十分後。




『フルコンボ!!』




学校から一番近いゲームセンターにやってきたわたしたち。

もうかれこれ三回ぐらい太鼓のゲームで対決していた。そしてわたしは全勝していた。




「ああー! くそ、太鼓で武藤に勝てるわけねえ……」


「カズへたくそ~」


「かんたんしかクリアできない真緒に言われたくねえし」




流行りの音楽に合わせて流れてくる赤と青の顔つき音符をリズムよく叩くゲーム。

わたしが一番得意とするゲームだ。曲によっては難易度Maxでもフルコンできる。




「ま、数馬がわたしに勝とうなんて10年早いよね」


「くっ……」


「あ、ねーねーカズと瑞紀! 次パンチングマシーンで勝負しよ!」


「それは真緒無双だろ……オレもエアホッケーだったら……」


「オッケー次はそれね~」




ゲームセンターに来るのは久々だけど、結構楽しい。


メダルゲームにシューティングゲーム、UFOキャッチャー。

夢中で遊んでいる間は、胸のあたりでくすぶっているモヤモヤも忘れることができた。





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