なぜか推しが追ってくる。




ぐっ……親友たち(あの二人)の言葉を思い出して腹立ってきたぞ。

しかしここは恭くんの前……。拳を握って必死に抑える。


そして恭くんはそれを聞いて、ふっと表情を和らげた。




「なんだそっか。じゃあ本当のライバルはやっぱり一人なんだ」


「うん?」


「ああごめん、こっちの話」




そう言って誤魔化すように浮かべる笑顔。

なんかわからんけどとりあえず、可愛い、やばい、好き!!


ああ、写真撮りたい……。やめろわたしの手、無意識にカメラを起動させるな!




「と、ところで恭くんは、なんでわたしを探してたの? 何かあった?」




わたしは、自分の意識を国宝級顔面から逸らす目的も込みで話を変えた。




「ああ、そうだ。瑞紀ちゃん、今日部活ある日なんでしょ?」


「うん、今から。あっ、てかもうこんな時間! 早く行かないと!」


「それさ、見学するのって大丈夫?」




……見学?

わたしはびっくりして目を何度も瞬かせる。

ええ、だって……。



< 91 / 223 >

この作品をシェア

pagetop