さんたさんって、信じてる?
ねがい
「くりすますのまえ、さんたさんは、こびとたちといっしょに、せかいじゅうのこどもたちからのおてがみをよむのです。さんたさんは……クシュッ!」
ルナは絵本をこえにだしてよんだ。
寒い…
でも、寒さをわすれるくらい、この絵本はうつくしい。
ページをめくる手がこきざみにふるえる。
もう、指をほとんど曲げられなくなってしまった。
「さんたさんは、くりすますいぶの日に、となかいさんたちをあつめます。となかいさんたちは、あたたかいあかいはなをしています。」
はなみずが口につたう。
ルナはズズーっとはなをすすった。
「さんたさんは、そりにのり、せかいじゅうのそらを、とびまわるのです。つきあかりに、さんたさんのしるえっとが、うかびあがります。すずのねをひびかせながら、さんたさんは、とびます。」
次がさいごのページだ。
ルナはページをつかんだ。