貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
……ぎゃああああ!!!!
何これナニコレ?!何たるブサイク面!!
え?え?どういうこと?いや、あれだよね、これ先週ホテルで寝ていた時の写真だよね?
リベンジポルノは聞いたことあるけど、こういうのってなんていうの?リベンジ寝顔?(なんだそりゃ)
裸の写真じゃないにしても、こんな面構えの写真が全世界にバラまかれたら、別な意味で社会的に死んでしまう。
と、いうかこんな写真を神山透が持っていると思うだけでも充分死ねる。

こんな写真を神山透が撮影した意図が不明なら、それを送ってくる気持ちも全くわからない。慌てる私は取り急ぎどういうことだとメッセージを送るのだったが、イケメンからは詳細は先週のあの居酒屋で話をしようとの返信のみ。
そして私はその写真データを消去してもらうようお願いすべく急遽アポを取り付けると、週末の仕事終わり、やむなく先日のあの場所へとむかうことになったのであった。


「えーと、あの写真のことなんですけど」

席につくなり本題に入ろうとすると、神山透は私の唇に指を立て「まずは仕事終わりの乾杯でもしましょうよ。あ、でも今日はお酒はほどほどにしましょうね?」とにこやかに言う。

そうして薦められるまま、食べて飲んで、

「僕、山本さんが先生ぶっているところ、可愛くてちょっと偉そうで、好きですよ」

なんて言うイイ笑顔のイケメンに、またしてもうまいこと言いくるめられて、結局今回も私はホテルまでドナドナされてしまうのだった。

「だってあの写真でも餌にしないと、会ってくれなかったでしょう?全然連絡くれないから、ちょっとイジワルしちゃいました。」

手を繋いで歩きながら、ちょっと意地悪く、でもどこか拗ねたようにこちらを見つめるイケメンが可愛過ぎる。

えーなんなのこの子、実は私のこと好きなんじゃないの?
ついついそんな自分に都合の良い錯覚を覚えてしまう私である。

イジワルと言うにしてはインパクトがありすぎる写真だったが、まあそのことを追求するのは後でもいいや。
多分私よりも年上であった気はするが、このなんとも可愛らしい()()にこんなに求められるのでは仕方ない。
あーもう本当に仕方ないったら仕方ない。
よーしもう先生、がんばっちゃうよー!!
そう心の中で叫ぶと、私は今月2度目の腹をくくるのだった。

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