私だけに甘いあなたと恋をする

宿泊学習一日目

※※※



「今帰り?」


エントランスを出たところで、部活帰りの真鍋くんとばったり会う。


「うん。じゃあ、また明日ね」


彼の隣に同じ野球部の男の子が居たから、挨拶だけして手を振ろうとしたら。


「ごめん。三輪さんと一緒に帰るから」


隣に居た子に手を上げて私の方に駆け寄ってきた。


「いいの?一緒に帰るんでしょ?」


「あー、うん。それよりもこんな時間まで何してたの?」


言葉を濁しながら同じ歩調で隣を歩く真鍋くん。

さっきまではまだ少し明るかったのに。

今は七時半過ぎで空はほぼ黒一色。
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