私だけに甘いあなたと恋をする

一度きりの青春

※※※



「真鍋ーっ!」


休み時間、廊下から教室に向けて男の子が叫ぶ。

賑やかだった教室が一瞬で静かになって、皆の視線は真鍋くんへ。

ダルそうに廊下を見た後、席から立ち上がるとため息を吐いた。

彼が動くと皆の視線も彼の背中に注がれる。


「やっぱ告白かな」


「この前は紅蘭(こうらん)の子が告りに来てたって」


「マジ?紅蘭って、超がつくお嬢様高校じゃないの?」


「雑誌の記者が中学校に押し掛けたって話も聞いたけど」


聞こえてくるのは全部真鍋くんの話。
< 357 / 424 >

この作品をシェア

pagetop