きみと繋げた雪明かり



***



「よいっ…しょ。はぁ、重……」



掃除のために、収納されていた顕微鏡を出して一時的に机の上に置く。



放課後、私は先生の命令で、別棟にある生物室の掃除を押し付けられていた。


まさか学級委員だからと言って一人で押し付けられるとは思わなかったよ。おまけに、この別棟は放課後なかなか使われないからムードが出ててなかなかに怖い。



…あれから、凛子は昼休みが終わる少し前に戻ってきて何も無い顔で授業を受けていたけれど、大丈夫だったのか。そこが気になる。



コツコツと机を拭いたりして掃除を早く終わらせる。最近はまだ使われるほうらしくて、埃がまだ少ないのが唯一の救いだ。


「これで、終わりか……」



ようやく、最後の顕微鏡を収納して今日の作業を終えた。かかった時間、なんと40分。



今日はたまたま何もない日だったからよかったけど、私がいなかったら一体誰に頼むつもりだったんだろう。


きぃ、と年季が入っているのか少し建て付けの悪い扉の鍵をしめて、廊下を歩く。私の足音だけが響いて、なんだか不気味だ。

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