きみと繋げた雪明かり



「…ねぇ、夜宵ちゃん。光となんかあった?」


「え……?」


朝礼が終わって、それぞれの持ち場につこうとすると、杉田くんが声をかけてきた。


例の件から3日。私が言った通り、私と岬木くんの関わりはほとんど無くなって、前までの日常が戻ってきた。


あのあと、帰ってきてご飯も喉を通らないほどのショックで部屋にこもってしまった。


家族に声が聞こえないように、枕に押し付けられながら泣いた。


人を好きになるってことが、こんなにも辛かったなんて。昔の私は絶対に知らなかった。


幸い、杉田くんは前のように関わりを持ってくれている。私がクラスで孤立しないのは、間違いなく彼のおかげだろう。



「……なんかさ、光の様子がおかしくて。最近はずっと機嫌よさそうだったのになんか死んだ目をしてる」


「死ん………」


ちらっと岬木くんの方を見ると、既に何人の女の子に囲まれていて改めて彼の人気の高さを再確認する。


表情はいつもと変わらず笑顔だ。特別様子がおかしいと言うわけではなそうだけど。



「あー…わかりにくいと思うけど、目が死んでる。笑顔が明らかに嘘っぽい。乾いてるし」


「…そうなんだ」


さすが、長い付き合いなだけあって、杉田くんは岬木くんのことをちゃんとわかっていた。なんていえないけど。
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