きみと繋げた雪明かり
やった、とりあえず第一公演成功だ。
幕が降りて、主役の二人が帰ってきた瞬間、裏でもとてつもない拍手が鳴り響いた。
やっぱり聞こえる主な声は「カッコよかった」とか「感動きた」とか「ドキドキした」とかの言葉が一番多かった気がする。
次のクラスの公演のために、小さな荷物は回収を始め、教室へと移動していく。
でも、やっぱり素晴らしかった。次の公演は3時。まだ十分時間がある。
「——じゃじゃーん!!どうかな?」
「すっごい似合ってる!やっぱり主役は違うなぁ!!」
騒ぐ声が聞こえて後ろを振り返ってみると、主役だった涼木さんと岬木くんが私たち裏方が主にきているクラスTシャツに袖を通していた。
やっぱり似合う。見惚れてしまうほどには。
その後、ひとまず休息をとったあと、指示を出すことにした。
「えーっと、とりあえず3時15分まで各自自由になります。ハメを外しすぎない程度に楽しんできてください!」
私がそうクラスに伝達すると、はーい!とあちらこちらから声が聞こえた。
やっぱりみんな文化祭でテンションが上がっているのか、全体的に浮かれている様子だ。
私もそれは否定できないが、ひとまずクラスを一通り回ろうと思って教室を出ることにした。