きみと繋げた雪明かり

side 光



俺はやってしまった気がする。


昨日、不意に星野さんと顔が近くなってしまったとき、もしかしたらそっけない態度をとってしまったかもしれないのだ。


いや、まああれは普通に事故……


「なに百面相してんの、光」

「翔か…」


正直言ってこいつに見つかったら最後だと思っている。いじられてこの先ずっとネタにされる。


そもそも翔は俺の大体のことはわかってるはずだ。最近のこととか、


………俺が星野さんのことを好きなこととか。


こいつにニヤニヤされるのはすごいイラつくけど。


中学からの腐れ縁だから今更って感じだけど。


そもそも、俺が星野さんのことを好きになったのは中学生の時まで遡る。


***



中学2年生の春、俺はその頃からすでに友達だった翔とショッピングモールに遊びに行っていた。


当時の俺はメガネをしてたり、髪型がちょっと違ったりとしたけど。


「光ー!悪いな、遅れて」

「何回目の遅刻だよ…」


集合時間より10分ほど遅れてきた翔を連れて、映画館に向かっていた。


もともと、翔がこの映画を見たいって言ってたのになんでその本人が遅れてきてんだよ…


呆れながらショッピングモールに入ってって、時間もかなり早かったからご飯を先に食べる、という話になって行った。
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