きみと繋げた雪明かり



…なんとも言えない1日だった。


あれから7限だけ受けて帰ることにしたけど、多分今日が高校生活において一番波乱だったと思う。



「先輩、今日なんだか元気ないですけど…」


「そんなことないよ、大丈夫」


実はろうかを歩いている時、たまたま会ったともえちゃんと久しぶりに一緒に帰ることにした。



ほぼ当たり前のような者だけど、ともえちゃんにあんまり気にして欲しくなくて、今日の水ぶっかけ事件のことは言っていない。



……杉田くんみたいに、気にしちゃったらこっちも申し訳ないし。



昇降口を出て校門まで歩いていると、やっぱり目立つ、あの人がいた。



「星野さ……」


「ね〜!光くん!一緒に帰ろ?」


「えー!ずるーい!私も〜」


一瞬、私のことを読んだ気がするけれど、その場にいた女の子によってかき消されてしまった。


それに、岬木くんが私のことを読んだ瞬間、女の子たちに睨まれてしまったような。


…おまけに、『これ以上岬木くんに関わるな』みたいな圧を感じた気がした。



…そんな感じだったらのこのこと歩いてられるわけないじゃん。


岬木くんには申し訳ないけど、ともえちゃんを連れて急いで校門まで走る。


「わっ!ちょっと先輩…?」


「ごめん、ちょっと…」
< 65 / 206 >

この作品をシェア

pagetop