有り ふれた 人生

由 季  ③


実は······


ここ一年
ソワソワと落ち着きない 
尚久を目にしていた。

つるやは、千秋の実家の花屋から
花を届けて貰う。

千秋か千秋のお母さんに
花は、毎回見立て貰い
アレンジして各部屋と
入り口に飾り付けをやって貰う。

千秋は、私と違って
小さくて線も細い

顔は、童顔で可愛い系だ。

尚久は、
千秋から相談を受けている内に
千秋に絆されたみたいだ。

千秋が可哀想だから
千秋を自分が護らないと
って·····

誰から?
何から?
護らないと行けないのかも
定かで無い。

会合や勉強会に
穴を空ける様になった
尚久を父が雇った
探偵と一緒に母が
二人の入るアパートに 
乗り込んだ。

部屋の中には、
大きなベッドがあり
二人は、そこで抱きあっていた

探偵が尚久を殴り飛ばして
二人を引き離し
汚い物を見るように
私の母から
「直ぐに服を着なさい!!」
と、怒鳴らて

千秋の実家に
二人は連れて行かれた。

千秋の両親は、
まったく知らなかったようだが

飯島の両親の怒りを受け
店をたたみ
多額の迷惑料と
千秋から由季宛と
精神的苦痛料を支払い
姿を消した。

由季の父親は、
つるやには、関わらないが
大手銀行の部長だ。

まして、娘の由季を
溺愛している。

尚久は、
一文無しで追い出された。

尚久の実家は
京都で呉服店を営んでいる
尚久は、そこの次男だ。

そちらから
高額の慰謝料が提示されたが
由季の父親は、
怒り心頭で
尚久関係からの連絡は
一切を受付ず遮断した。

こちらの方が
怖くて動けない。

何度も弁護士を通じて
連絡が入るが
つるや側からの
対応はまったくなかった。

あまりの怖さから
尚久の母親は体調を崩し
尚久は、実家から絶縁されて
京都から出された。
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