有り ふれた 人生
【 二つ目の話し 】

実 奈  ①


ホテルかいひん荘で
母の教育を受けている。

大変な仕事だが
元から人と接する仕事が好きな
実奈には、あっていると思う。

四年前に

寺尾 一晃
( てらお かずあき ) 33歳
と、結婚した。
 
一晃は、鎌倉銀行に勤務し
法人部門課長

その上
実奈の幼馴染だ。

一晃は、長身の体に
顔もソフトなイケメンだ。
家は、代々銀行員。

大学の一年生の時に
実奈の父親が亡くなった。

実奈の母親は打ちひしがれて
実奈は、しばらく大学を休んで
母に寄り添った。


実奈は、身長167センチ
日本人離れしたをした
顔立ちでエキゾチックな美人だ。
性格は、まっすぐで
でも、涙もろく優しい娘だ。

当時 実奈は、
付き合っている男性がいた。

横山 玄季
( よこやま はるき )君
玄季は、蒼山大学の三年生。

親もと離れてアパート暮らしを
していたが
ほとんど実奈のマンションにいた。

実奈が、マンションに戻ったのは、
お父さんが亡くなって
半年を過ぎていた。

自分のマンションなのに
何か違和感があった。

半年いなかったからか
と、何度も考えて
全ての窓をあけて換気する

キッチンは?
わりと·····綺麗。

玄季が
「実奈がいなくて寂しいから
実奈のマンションにいる。
実奈の匂いがするから」
と、変態的な、事を言っていたな
と、可笑しくて笑っていたが···

それにしても変だ。

キッチンのタオルが変わっている
玄関マットも
あっ、お風呂場のマット
これは、私のお気に入りだから
使わないでと言ったのに

クローゼットの中
一部に玄季の物がおいてある。

私の物は?
部屋着が動いている。

後は······ないか·······

冷蔵庫を開けた瞬間
玄季に騙されたとわかった。

だが、相手がわからない。

実奈は、葬式で再会した
一晃に連絡をした。

涙を流す美奈に
一晃は、
彼氏なのに
こんな酷い事ができるのか·····と。

一晃の友人が探偵をやっている
親戚がいて
直ぐに調べてくれた。

実奈は、再び傷つく事になった。

玄季の相手が
柳田 芳乃だったからだ。

芳乃は、母親から
実奈の父親の事をきいて
お通夜とお葬式には出向いた。

買い物に出ていたときに
玄季が、買い物をしていて
カゴの中が弁当や惣菜で
可哀相になり
声をかけた。

玄季は、
「大丈夫だよ。
実奈に悪いから。
実奈のマンションだし。」
と、断わっていたが
「どうせ食べるんだから
一緒でしょ。
それに私と実奈は友達なんだから
心配ないよ。」
と、芳乃に言われて
実奈の友達だから
俺にも優しくしてくれるのかと
嬉しかった。

それからは、時間が許す限りは、
芳乃ちゃんが食事を作ってくれた。

その日は、芳乃ちゃんの誕生日で
二人でワインで乾杯した。

そこから記憶なくて
目が覚めたら
裸で芳乃ちゃんと抱きあっていた。
えっ、と思ったけど
俺の体がまた反応して
そのまま身体を繋げた。

それからは、毎回
そんな流れになった。

実奈のベッドで
芳乃ちゃんを抱く
なんだかわからない
制服感が湧いて気持ち良かった。

そんなただれた生活の中で
実奈が帰ってきた。

大学から実奈のマンションへ
帰ると
実奈から
「部屋の中をさわった?」
と、訊ねられて

俺自身は、触ってないけど
芳乃ちゃんが·····
と、思ってヒヤヒヤしていた。
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